1950年代

作品ポスター

作 品 解 説

スタッフ・キャスト
ゴジラ

「ゴジラ」

昭和29年(1954)11月 3日公開/併映「仇討珍剣法」 観客動員数961万人

貨物船栄光丸は太平洋上で突如謎の白熱光により炎上、沈没した。そして救助に向かった船も同じ運命を辿る。後日、事故現場の近海にある大戸島に只一人の生存者が流れつく。そして、嵐の夜に巨大な生物が上陸し島を蹂躙した。山根博士を中心とした災害調査団が島に派遣されるが、その目前で再び巨大な怪物が咆哮とともに姿を表わす。大戸島の伝説にちなんで「ゴジラ」と名づけられた怪物は、ついに東京に上陸、品川周辺を破壊し再び姿を消す。防衛隊は高圧電線による防衛線を張るが、再び上陸したゴジラはそれをものともせず、口から吐く放射能火炎で首都東京を焼き尽くす。その惨状に山根博士の娘、恵美子は青年科学者芹沢との約束を破り、恋人である尾形に水中酸素破壊剤・オキシジェンデストロイヤーの秘密を打ち明ける。芹沢はその存在を否定するが、平和への祈りの合唱に心動かされ、遂にその使用を決意する。尾形とともに東京湾に潜った芹沢はオキシジェンデストロイヤーをゴジラに向けて放った。その威力はゴジラを一瞬にして白骨と化すが、芹沢はもまたオキシジェンデストロイヤーの悪用を恐れ、自ら命綱を断った。
皆がゴジラを倒した喜びに沸き返る中、山根博士は「あのゴジラが最後の一匹とは思えない」と呟くのだった。

全ての怪獣映画の原点、ゴジラの記念すべき第1作。まだ戦争の記憶が生々しく残る時代に「第五福竜丸」「原爆マグロ」などの社会不安を背景にしたストーリーで爆発的にヒットした。
「火を吹く巨大怪獣」「着ぐるみによる怪獣表現」など、その後の全ての怪獣映画のルーツである。未見の人はとにかく見るべし!

ゴジラ・・・・・・・・・中島春雄

尾形秀人・・・・・・・宝田明
山根恭平・・・・・・・志村喬
山根恵美子・・・・・河内桃子
芹沢大助・・・・・・・平田昭彦
萩原記者・・・・・・・堺左千夫
新吉・・・・・・・・・・・鈴木豊明
大戸島の老人・・・高堂国典
大沢代議士・・・・・菅井きん

製作・・・・・・・・・・・田中友幸
監督・・・・・・・・・・・本田猪四郎
特殊技術・・・・・・・円谷英二
原作・・・・・・・・・・・香山滋
脚本・・・・・・村田武雄、本田猪四郎

ゴジラの逆襲

「ゴジラの逆襲」

昭和30年(1955) 4月24日公開/併映「弥次喜多漫才道中 化け姫騒動の巻」 観客動員数834万人

海洋漁業のパイロット月岡と小林は岩戸島付近の無人島でゴジラと背中一面に棘を生やした怪獣との死闘を目撃する。やはりゴジラは一匹ではなかったのだ。大阪に戻った二人の報告から直ちに対策本部が設けられ、もう一匹の怪獣は「アンギラス」と名づけられる。厳重な灯火管制が敷かれる中、大阪湾に出現したゴジラは防衛隊の照明弾により湾外へと誘導する作戦が採られる。しかし、脱走した囚人の起こした火災により、ゴジラは大阪に上陸してしまう。同じく大阪に現われたアンギラスとの死闘の中、大阪城を破壊して、ゴジラはアンギラスを葬り去る。火の海と化した大阪の街を後にゴジラは海へと姿を消す。
会社とともに北海道に移った月岡は、そこで昔の戦友達と再会する。大阪で姿を消したゴジラは今度は北海道の洋上に姿を表わす。神子島に上陸したゴジラに対し爆撃が敢行されるがまったく効果なく、小林機は崖に激突する。その事故が引き起こした雪崩にヒントを得て、ゴジラに対する雪崩作戦が実行される。月岡の放ったロケット弾により大雪崩が発生、遂にゴジラは雪と氷の中にその姿を消した。

前作のヒットを受けて製作されたゴジラ映画第2作。敵怪獣アンギラスが登場し、大阪の街を舞台にゴジラと死闘を繰り広げる。前作と打って変わってどちらの怪獣も非常に機敏な動きを見せている。
後日、この作品をアメリカでのリメイクするという企画が持ち上がり、東宝は新たにゴジラとアンギラスの着ぐるみを製作、アメリカに送ったという話がある。これが幻のゴジラ「ジャイガンティス」らしい。

ゴジラ・・・・・・・・・中島春雄
アンギラス・・・・・・手塚勝巳

月岡正一・・・・・・・小泉博
小林弘治・・・・・・・千秋実
山路秀美・・・・・・・若山セツ子
山路耕平・・・・・・・笠間雪雄
寺沢航空隊隊長・・恩田清二郎
田島隊員・・・・・・・土屋嘉男
山根博士・・・・・・・志村喬

製作・・・・・・・・・・・田中友幸
監督・・・・・・・・・・・小田基義
特技監督・・・・・・・円谷英二
原作・・・・・・・・・・・香山滋
脚本・・・・・・村田武雄、日高繁明